4月8〜11日、前から行きたかった、朝鮮半島南西部に行ってきました。
古来より伽耶の国とか百済とか呼ばれて、日本と親交が深く、戦前は日本人が多く住んで、いまだに和風の家屋が残っているといわれる木浦が目的地です。
羽田国際空港が出来て、超便利になりました。
金曜日仕事を済ませてから出かけられます。
本当は、月曜日早朝に戻ってくるつもりが、あまりに遠いので、移動時間を考え、月曜日休みを取って3泊(1泊は車内)にしました。
金浦国際空港に着いたのは、夜10時半。
飛行機を降りてすぐ、放射能検査のゲートを通りました。やっぱ日本からの入国は厳しい。
そこから地下鉄で、高速バスターミナル駅向かうのですけれど、よく分からないので、インフォメーションで聞き、地下鉄9号線に乗る。
が、切符がうまく買えない。1万ウォンが使えないとか。
こんなことをしていてすでに夜の11時。
ただ、親切な人ばかりで、切符の買い方を教えてもらったり。

チケットの自販機には日本語表示があるので、あとは行き先の駅番号さえは覚えてればOKでした(後になってわかった)。
地下鉄で走行中でも、携帯のアンテナはばっちり3本立っていました。駅に着かなきゃアンテナが立たない日本、遅れているぞ!
地下鉄のアナウンスは基本的にハングルと英語ですが、大きな駅だと日本語も入ります。「次はナムサンです。○○線はお乗換えです」みたいに。
バスターミナルに到着。セントラルシティという巨大な建物の中。光州行き切符売場に並びました。やっとチケット購入。27500ウォン。日本円で2300円ぐらい。目的地まで290キロ。
0時30分のバスには間に合わず、40分のが買えました。少し高いが一般席ではなくエクセレント席を購入。にしても10分おきにバスが出て行くとはすごい。もちろん光州ばっかりじゃなく。
車内は一列3席。かなりゆったりですが、トイレとかはありません。ほぼ満席。オヤジ連中が大きな声で咳をしたりで、多少マナーが悪いのが気にはなりますが、さあ、一路光州に向けて出発だ。
高速バスは2時間ほど走って、途中、サービスエリアに寄りました。トイレに降りたら、身が引き締まるほどの寒さ。息が白い。セブンイレブンでスナック菓子を買いました。
光州市には3時40分到着。ちょうど3時間。この時間では何もできないので、バスターミナルの広い閑散とした建物内の椅子で夜明けを待ちますが、なにせ寒い。

ただ、光州(韓国第4位の大都市)までくれば、木浦まで80キロ足らず。あとはなんとでもなります。
僕は名うての(?)花粉症ですが、韓国に来ればすっきりと鼻づまりや目のかゆみはとれるだろうと楽観していたのに、一向に改善されません。ま、まだ着いたばかりですけれど。
ともかく鼻づまりがひどい。
この国にも花粉があるのか、あるいは単に症状を引きずっているだけなのか。明日ぐらいになれば分かるかもしれない。
公衆トイレは、今のところおおむね清潔で、すべて水洗でした。ただ「大」のほうに、必ずゴミ箱が用意されており、使用後とみられるトイレットペーパーが大量に捨てられていました。これって、中国と一緒?
なんとか最終目的地、木浦にたどり着いたのは、まもなく6時半になろうという時間でした。なのにまだ空は薄暗い。
こんなに東京から西に離れてるのに、東京と同じ時間(時差なし)っていうのもなあ。
いや、もちろん、こちらが普通で、東京がおかしいのだ。いつもおいら言ってるよね。
まずは朝飯。焼肉屋みたいのしか開いてなかったし、それも7時にクローズとのこと。深夜で営業してたんでしょうね。
時間は30分ぐらいしかないけど、まずは、マッコリを注文(朝からかいっ)。キムチやカクテキ、ほかのつまみも出してくれた。
現地の人たちはみんなオールで遊んだ連中らしく、けっこう鍋を前にお酒を飲んでいる。

そのあと、まだ早いし、睡眠不足なので、サウナを見つけて入ってみました。
日本とシステムは一緒です。靴磨き屋さんがいたのが面白い。現地の人たちの見よう見まねで風呂に入り、仮眠室に行きました。
そこは老若男女みなオンドルの床に思い思いに雑魚寝です。木製の枕にタオルを乗せてあちこちを頭にして何の法則性もなく寝てます。これには驚いた。
でも少しうとうとできました。
10時過ぎにそこからはやっと這い出し、海べりへ出てみました。天気がよく空気が超爽やか。
皮ジャケットの下にワイシャツと薄いVネックセーターを着ていましたが、Tシャツでいいぐらい。この海は生まれて初めて見る、黄海。
春霞がかかっているが、快晴。陸では桜が一分咲き。黄色い韓国の名花ケナリが咲いていました。なにせ空気が澄んでいます。
小さな岬を回りこむようにして、海に張り出したウッドデッキの遊歩道を歩きました。傘石とかの木浦八景が見れます。

遊歩道の行った先には、国立海洋文化財研究所があり、ここは、鎌倉時代に中国から日本へ磁器などを運び途中沈没した船や、そこから引き上げられた品物が数多く展示されています。無料。

研究所の見学が済んで外に出ました。勉強になった。この辺はミュージアムが集中した地域。歴史や文化を大切にしている風土がうかがえます。
そうこうしてるうちにお昼になったので、これから登ろうと思っている山の中腹にある韓定食の店に行きました。丘の中腹にあり、とても景色がいい。麓には昭和の日本家屋が点在しています。
ハンミルという僕好みのこじゃれたレストラン。

さて、お腹いっぱい食べたので、目的の山、市街地を見渡せる儒達山に登ることにしました。
途中、日本と戦った勇将、李舜臣将軍の銅像があったり、ここ出身の有名女性歌手李蘭英の碑があって、日本の歌謡曲か演歌のような歌が流れていたりしました。
土曜とあって大勢の行楽客が出ています。
儒達山山頂(228m)からは、晴れ晴れとした市街地を一望できました。横にはさらに高い岩山の峰があり、なかなかの景勝の地です。

この全羅南道は古くは百済の国で、大和朝廷とのつながりが深かった所。
日本に漢字や儒教を伝えた王仁(ワニ)博士の遺跡址はぜひ訪れるべきとのことで、40キロも離れたその地を尋ねました。桜はまだまだ。でも行楽客がたくさん出てました。
さて、そろそろ夕方、木浦に戻り、街の真ん中あたりで海に面した新しそうなホテルを探しました。
時間ばかりかかり、やっとフロントで話がついたのが7時。けれどまだ昼のように明るい。いいなあ、これが本当なんだよ。目覚めよ日本人!
ホテルはシャングリア(ラではない)ビーチホテル(笑)。

フロントで美味しい店を聞いたら、結局刺身だった。気は進まなかったが行ってみました。海岸のすぐ前で、どんどん刺身や得体の知れない海のものが出てきました。だって、コースっぽいのしか頼めなかったんだもん。
でもまあ、うん、全部は無理だったが、ハイトのビールには合ってました。
そして2日目の夜はもうそのままホテルに帰ってひと風呂浴び、ぐっすり寝てしまいました。

翌朝は快晴でした。8時を過ぎてずいぶんガスがひいてきました。もともと木浦は霧が多いことで有名です。黄海の海水温と陸地の温度に朝方、差が出るのでしょうね。
昨日の朝、光州から来たときもすごい霧の中でした。
花粉症が今朝になっても治りませんでした。日本ほどじゃないけれど、やはり木浦にも花粉があるのかもしれません。こんなに空気が澄明なのになあ。
いったんホテルをチェックアウトし、まずは近くに朝粥を探しに出ました。
それらしい店に入り、頼んだのがファンテフェジャンクク?というもので、そこの名物でした。写真が出ているからお粥だと分かるものの、どんな料理かの意味はわからんです。

いちお、こう見えておいらはハングルの読み書きができます。えへん!
去年の夏、1ヶ月、ユーチューブで勉強しました。でも読めても意味はさっぱり分かりません。
分からないなりにとても美味しかったです。
そこから務安という町に来てみました。
ここの路地ではタコを売る店が軒を並べています。僕が歩くと、店頭のおかみさんが次々声をかけてきました。

そこからさらに足を伸ばすと、曽島という世界遺産の塩田があります。ものすごい広大。黒い木造塩倉庫がずうーと並んでいます。

今日は曽島での昼食後、木浦には戻らず、光州へ出てきました。
これなら明日高速バスで一気にソウルに帰れます。明日中には、帰国の予定なので。
光州に出ると桜が満開でした。
街の中心部に行き、ラマダホテルに直接交渉して泊まることに。

夕食はそこから歩いて行ける大きくきれいな焼肉レストランへ。もう魚には辟易してたので、やっぱ食べ過ぎてしまいました。

韓国最後の夜は、これで終わりにしちゃいかん!と思って、ホテルのフロントでマッサージを頼んだら、出張マッサージというのはないんだそうです。それでまた街をうろつくことに。
ただ、按摩と書いてあるのは、マッサージではなく、その手のものなので気をつけてくださいとのこと。
けっこう目に付くんですよね。ハングルが読める功罪?いや、日本語でも書いてあるぞ!
最初、安全そうな中国式というのに思い切って入ったら、どうも怪しげ。しかも誰も出てこない。
なのでその同じビルの上の階のタイ式というのに行きました。
ここは受付もしっかりしていたし、お客も次々いたので、ちょっと安心しました。
90分60000ウォン(4200円)ぐらいでした。
ホントに素直にタイ式マッサージでした。
翌朝、光州は雨上がりの曇り空でしたが、空気が澄んでとても気持ちがいい。
鼻づまり解消されないもののかなり花粉の量は少ないと思います。
ホテルをチェックアウトし、タクシーで、高速バスターミナルへ。
ソウル行きバスは、7時10分発。これは中クラスのシートで25000ウォン。約2千円。
出発前に満席となりました。これも10〜15分置きにバスが出るからすごい。

高速バスは、途中のサービスエリアで休憩。3日前に停まったSAは、雑然として、あまり清潔とはいいがたかったが、今日のは、日本のサービスエリアに良く似ていて、機能的できれいでした。
10時半にソウルバスターミナル着。迷いに迷って、地下鉄3号線の切符を買いました。これから空港チェックインまでの時間を、ちょっと市内見物へ。
景福宮へ来てみました。何度もソウルは来ていたのにここは初めて。

いやあすごく広大で、素晴らしい。とても短時間では観られないほどですね。
景福宮での衛兵交替ショーも観ることが出来ました。これは圧巻。カラフルで美麗な様式美。
タクシーで明洞へ。ものすごい混雑です。タクシーが人波を割込むようにやっと明洞の路地へ入ってゆく。

明洞でランチをすることに。探して、サムゲタン専門店の百済参鶏湯に入りました。美味いなあ。コラーゲンもたっぷり。このお店お薦めです。OBビールもいただく(*^。^*)/。

明洞でゆっくりしたわけではないのに、地下鉄の乗り換えでまごついたり、仕事の電話がかかってきたりで、金浦空港にたどり着いたら出発1時間前でした。すごい焦ったが、係員の機転で別ルートでチェックインさせてもらえました。そのKALの係員、長身の超美人なのです。
いかん鼻の下が。
これで、全羅南道旅行記はおしまいです。
韓国についてずいぶん自信がついたので、また色んなところへ行ってみたいと思います。
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