最近読んだ本の中に、
「走ることについて語るときに僕の語ること」
という題名のエッセイがあります。
このめんどくさいタイトル。はい、村上春樹さんです。でも彼の走っているこの随筆は面白いなあ。
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僕は数ヶ月ほど前から、身体がかつてないほどムチムチしてきていました。
だいぶ前にスイミングに通わなくなってから運動というものにはいっさいかかわりなく生きてきましたが、さすがにこれではいかん、と思い始めてきた矢先、近所のお姉さんから一緒に夜走らないかと声をかけられました。う〜ん。
立て続けに、仕事関係でも刺激をもらいました。
いつも若々しくはつらつとしている40歳ぐらいの人が、実はおじいちゃんになりましたというので年齢を尋ねたら、なんと55歳とのこと。
常に海外などへトライアスロンに出かけているそうです。
僕の仕事の後輩がアラフォーで夜間の専門学校に通い、卒業するとその時間の一部を使ってランニングに夜の街に出て行くというのを知り、頭が下がりました。
テレビでも徳光さんや矢部っちが走っているのも観て、自分もやるかぁとやっとここへ来て重い腰を上げ始めたのです。
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竹中直人推奨の泣ける映画
「存在の耐えられない軽さ」

長編なので深夜2回に分けて観ました。
プラハの春を踏み潰したソ連進攻時のチェコが舞台の恋愛映画です。
全編英語なんですね。ハリウッドでもイギリス映画でもないのに、それも不思議。
村上春樹原作といっていいほど、恋の駆け引きとセックスが氾濫していますが、自分的には文芸作品のようで面白かった。
静かな音楽もグッド!最後のドライブシーンは竹中直人が言うようにちょっとしんみりしました。
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土曜日の夜は、恵比寿のテッドアートスタジオという小さな目立たないコンサートホールで、リヒャルト・シュトラウスのオペレッタのコンサートがありました。
7、80人程度の座席は満席。
とりあえず白ワインをいただき、途中で赤ワインに切り替えました。こういうサロン的演奏会は大歓迎です。
シュトラウスの楽曲を日本語に意訳して、ストーリーを作り、ミュージカル仕立てにしてあり、とても楽しめました。
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日曜日、まだ台風の余波が残っている関越道を義姉など4人、親戚の人を乗せて、上州国定村の親戚へ向かいました。
(これは駅)
初めて訪ねた親戚の家は小さな陽当たりのいい平屋で、目の前には黄金色に稔った稲田が広がっていました。狭いながらも手入れの良い庭には葡萄棚もあります。
94歳になるおばあさんが一人暮らししています。
東京からの義姉たちにとは叔母にあたり、50年ぶりの再会だそうで泣き出す人もいました。
僕もその古い小さな家屋に入った瞬間、ノスタルジックで懐かしい日本のお茶の間を見て、強くこみ上げてくるものがありました。
仏壇とはいえない単なる棚の上には、自分よりも先に行った旦那さんや兄弟や息子や親族の写真が飾られていました。順繰りにお線香を上げました。
「七十年ぶりの旧友稲穂干す」
おばあさんの家にあった俳句です。
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2ヶ月ほど前から耳鳴りがひどく、やっと予約が取れて今日午後、高名な耳鼻科の先生の病院へ行ってきました。
先生からは事前に自著を進呈していただいてましたので、バッチリ読了し、書き込みを入れ付箋も付け、万全の態勢で伺いました。
聴力の検査と、体調(ストレス)のチェックをまずしました。
ストレスチェックはたくさんの質問に答えるような問診。
調査表が2種類のほか、STAIとかSDSとかだが、日本語が変で意味を捉えるのが難しいペーパーチェックリストもありました。
そして、さすが名うての名医さん!結果が明解に出ました。
高い周波数帯が難聴ぎみ(これは早い人だと30代から始まる)で、これが体調不良だと耳鳴りとして現れるらしいです。つまり加齢によるもので治しようがないらしいです。
とりわけ僕のように「蓄積疲労、睡眠不足、ストレス、自律神経失調ぎみ」(検査結果)だと、顕著に出るとのことで、軽い汗をかくようなスポーツをすすめられました。
それと、何時に寝ようと必ず毎日同じ時間に起きること、朝日を浴びること、ともアドバイスされました。
それで薬は一切なし!
な?なんという名医なんでしょう。最敬礼して病院をあとにしました。
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そして先生の進めてくれた運動!
そうでなくとも、僕はランニングしようと決心していたので、とてもいい契機になりました。帰社途中でスポーツ用品店へ寄ることにしました。
近所のお姉さんお薦めのランニング専門店です。
さっそく店員さんに聞いて、スターター用一式を揃えました。
アディダスのシューズ、オークリーのソックス、ミズノのパンツ、ニューバランスのTシャツ、ナイキのキャップ。
全部で2万円弱かかってしまいましたが、これは昨日、上州へ親戚の人を乗せて行ったお礼(とガス代高速代)にいただいたお金を充当させてもらいました。さあこれで道具立ては整った。
あのおばあさんのように、一人でも孤高で素敵な人生が送れたら・・・そのためにも健康でプレッシャーに負けない自分磨きができるように・・・。
さあ、夜の街に走り出すかあ。
・・・あ、雨ね・・・。
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