僕のお気に入りのアイドルグループ、そのうちの一人、役者として評価の高いNと、長身でニヒル、カッコいい俳優のTが競演するサスペンス映画のロケに、先日、参加してきました。
僕としては、映画製作現場に直接的な係わりを持った、生まれて初めての経験です。ずっとわくわくどきどきしていました。

撮影は都内のビルの屋上で行われました。とても景色のいい場所で、広々とした森の向こうに超高層ビルの林立する風景はまさに息を飲むような絶景でした。

朝からリハーサル、午後から本番で、日中は暑いぐらいだったもののの、曇って涼しくなり始めた5時ごろには4テイク撮った撮影も順調に終わりました。
ともかくNもTも一度としてやり直しがなく一発OKなのです。さすがだと思いました。
スタッフの人たちやO監督、さらには主演のNとTさんからも感謝の言葉をかけられ、解散となりました。
一日、このことに費やしたので、その日は帰ってから徹夜で仕事をしました。
目途がついたのが朝の10時。
僕の観たかった「アーティスト」がまもなく始まる時間です。

睡眠不足でしたけど、わざわざ別の日に映画を観にいく時間的余裕もないので、勤務明けを利用して、帰りがけに劇場に入りました。
ほぼ全編、無声映画。モノクロ。昔サイズの四角い画面。
笑わせて泣かせてハッピーエンド。気楽に観れて、豊かな気持ちにさせてもらえる珠玉の作品でした。
ヒロインが映画のエキストラから出発して人気女優となるのですが、たまたま自分が映画世界に端役ながら参加できたのを、重ね合わせて観ていました。

利口で健気なワン君、全編に流れるレトロでロマンチックな音楽、あのニカついた主人公の人なつっこさ、ヒロインの一途な想い、それらが大きく貢献して、この映画をアカデミー賞作品賞に結びつけたのだなと思いました。
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